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清水均のフードビジネス短信

第8回 繁盛店の接客サービス-その1-

久しぶりに寄った店で・・・

東京・四谷にラーメンとワンタンやワンタン麺で著名な繁盛店があります。夜は元祖・中華居酒屋的な業態となることもあり、小さめの4人掛けに2人掛けの丸テーブルが付けられ入り口から4列並んでいます。また、奥には小上がりと6人掛けのテーブルが6卓以上あります。長いオープンキッチンにはカウンター席も8席ありますが、ラーメン店らしくテーブルも椅子も小さめになっています。
その店に8年ぶりに知人と二人で寄ってみました。平日のランチの混雑を避けるため、敢えて1時半過ぎに行きましたが、案の定、カウンターに4人、入り口付近に2人連れ2組が丸テーブルを付けた奥の4人掛けにいただけで、空いていました。
入っていくと、元気で御輿(みこし)でも担ぎそうな若い女性店員が笑顔で迎えてくれました。そして案内されたのは入り口から3列目、奥に2人が4人掛けで食事中のテーブルに付けられた2人掛けの丸テーブルでした。
「そこのテーブル(6人掛け)は、だめかな」と聞くと、少し間があって「あちらなら、いいですよ」と彼女が示したのは、入り口1列目の丸テーブル2人掛け、ここも奥には4人掛けに2人が食事中であり、最初に示されたテーブルより誰が見ても悪い席です。私はもう一度「この時間だし、あそこはだめなの」と聞き直しました。
こちらにしてみれば、奥のたくさん並んでいる6人掛けは動線が遠く、断られても仕方がありません。しかし、空いている数メートル離れた同じ並びのテーブルなら・・・、といった思いを持っています。あの状態であれば誰もが思う、お客様としての心理です。
しかし、彼女は断固として聞き入る気配はないことは、顔に描いてあります。知人の手前もあり仕方なく座るとカウンターで働く数人に向かい「変わったお客様もいるもんだよ」と、こちらにも聞こえるように言っています。帰ることも考えましたが、我慢して食べることにしました。
その後20分間で、単独客が2人カウンターへ、3人客が1組入店しましたが、その時には私たち以外、どのテーブルも空いていました。また、カウンター内で調理か仕込みに関することで行き違いがあったらしく、オーナーの声が数分響いていました。往年の名店としての味や繁盛が既に失せてから久しいことは、夜の状況を改めて見なくても十分推測に足るものでした。あれこれオーダーする気も失せ麺だけで早々に退散しました。

翌週訪れた納得の繁盛店

翌週、都内で伸び盛りの立ち食いの寿司店に入りました。夜も8時を回った頃で7坪ほどの店内のカウンターには、個性豊かな寿司職人が3人、店内の入りは立った状態で7割から8割の状況が続いていました。この店では1回に2品までの注文がルールとして店内に表示してあります。お客様への公平さの配慮であり、実際経験してみると良くできたルールであることが分かります。この寿司チェーンではメニューの9割以上が1貫(個)75円で、目の前で握る寿司は、しゃりも人肌で粋であり、女性客も各店で着実に増えているそうです。
食べながらふと職人の胸元に目をやると、なにやら横文字が書いてあり、「Just say yes.」と読めます。『ノー』と言わないのではなく、前向きに何でも「ハイ」と答えますという意味です。そこで取り敢えず、しゃりを小さくしてもらいます。さらに最後にはメニューにない具の組み合わせで手巻きを頼んだところ、これも直ぐに応じてくれました。結局、二人で1万円を少し超える会計となりましたが、満足度は高く納得できました。

繁盛店は確かに混みます。売れる時に売る必要も理解できます。しかし、このオーバーストアの時代に自店(社)のサービスのやり方を一方的に押しつけることがよいかは、大いに考える必要があります。

  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
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