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清水均のフードビジネス短信
第1回 MOT(真実の瞬間)とサービス その1
MOT「真実の瞬間」
MOTとは“Moments of truth”を略したもので、同名のベストセラー(スカンジナビア航空(SAS)の元社長ヤン・カールソン著、ダイヤモンド社)から引用しています。日本では「真実の瞬間」と訳されます。
そのエッセンスは、「顧客にサービスを提供する現場の従業員の最初の15秒間の接客態度が、企業の成功を左右する」ということです。具体例を挙げるとこうなります。お客様があるレストランに来店しました。入店した際の従業員の対応(初めの15秒間の接客態度)次第で、そのレストランの評価(印象)が決定してしまうのです。そして、最終的にそのレストランを経営する企業の評価にもそれは波及するという意味です。
また、「サービスはチェーンである」という言葉があります。レストランの例で解説すると、お客様が入店からお帰りになるまでの流れはこうなります。
- ご入店
- ご案内
- 新客サービス(着席後のお冷、オシボリ、メニュー)
- オーダー
- 料理提供
- 中間サービス
- 中間下げ
- 食後のデザート、コーヒー提供
- レジ
- お見送り
となります。これら全ての時点でチェーンのように良いサービスが継続できた時に始めて顧客満足となるという意味です。
どれか一つでも欠ければ(不手際があれば)、チェーンは切れてしまい顧客満足に繋がりません。従って、従業員は一人ひとりのサービスレベルを上げるだけでなく、チェーンのように心をつなぎチームワークでサービスに当たらなければならないという意味もあります。
入店からお帰りまでサービスの接点の全てが「真実の瞬間」なのです。
顧客がその外食企業の印象をとらえる(評価する)のは、実は本当に僅かな時間とごく一部の従業員からでしかないのです。しかし、その評価はその企業が同じ店名で展開する他の店の信用に直結しているのです。
信用はお客様の再利用を決める最大の要素です。
特にホスピタリティビジネスにおける信用の喪失は企業経営の危機に直結しています。従って、その接点(顧客にとって真実の瞬間となるサービスの接点)を改善することで経営全体の80%が改善できるのです。厳しい選別の時代を勝ち残るには、新しい期がスタートするこの時期に、もう一度自社(店)のMOT を確認し再構築してはいかがでしょう。
フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
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