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清水均のフードビジネス短信
第1回 MOT(真実の瞬間)とサービス その3
MOTとエンパワーメント
「真実の瞬間」を決める、サービスの特性について考えてみましょう。
- サービスは、形が見えず、その場で生産(提供)されると同時に消失する。
- サービスの善し悪しを決めるのは顧客自身であり、人によりその評価が変わる。
- 同じ状況に出会っても、サービスする担当者によって、その対応は変わる。
- サービスは、内容より、それが提供されるプロセスで善し悪しが決まる。
1は、例えば今の挨拶の仕方は失礼じゃないかと感じても、直ぐに消失するため、顧客側からクレームになりにくいことを指します。
2と3から分かることは、それぞれの顧客の求めているサービスを察知でき、対応することができるのは、その状況に居合わせたサービス担当者しかいないのです。しかも、担当者の感じ方や判断基準が異なるため、結果としてサービスの内容や質が変化してしまうのです。
4は、例えば金券や割引券などのクーポン券をいくら配布しても、先ほどから取り上げている各接点(真実の瞬間)が悪ければ、元もこもないということです。
それではどうしたらよいのでしょう。最終的にはサービス担当者自身のサービスに対する意識や感じ方(感性)のレベルを上げる以外にありません。また、各担当者に「権限の委譲」をしっかりと行い、その時点におけるベストな対応をする以外ないのです。この権限の委譲のことをエンパワーメントといいます。
そのためのポイントは2つあります。
一つは経営理念の徹底です。経営理念は自社の従業員に共有してもらいたい価値判断基準を表しています。従って、迷った時は自社の経営理念に従い判断し、行動しなさいと教えることです。
そしてもう一つが、上司は部下がその場、その時点で下した判断と行動に対し必ずフォローすることです。後日、仮に間違いに近い判断だと結果的に分かった場合でも、その時点ではベストであったと部下を信じ、フォローするのです。
真のエンパワーメントは上司と部下の相互信頼の中で、前向きな失敗が仮にあっても、それを本人の能力開発と成長の機会ととらえます。そして、コーチングにより本人の間違いに気づかせ、無限の可能性にポジティブに挑戦させ続けるのです。これが「ホスピタリティコーチング」の本質です。
フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
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