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清水均のフードビジネス短信

第3回 ますます重要になる場所別売上分析-その4-

場所別売上分析の解答

まず、この問題の出題意図を説明します。

問題

下の表(表A)は、ある和食店の12月度の売上高(前年実績)を時間帯別と場所別で示している。この店では、ランチは予約を受けず、全てフリー(予約なし)客を対象として営業している。
また、午後3時~5時までは、準備のためクローズしている。
それでは、各問(問題1~4)に解答し、(表A)の空欄を埋めなさい。

(表A):ある和食店の前年12月度売上高実績

時間帯別売上高 売上高(円) 客数(人) 客単価(円)
ランチタイム 4,800,000 3,200 a
ディナータイム 7,200,000 b c
合計 d e ※ f
場所別売上高 売上高(円) 客数(人) 客単価(円)
ディナータイム・フリー客 3,000,000 g 3,000
ディナータイム・宴会客 4,200,000 600 h
合計 i j ※ k

問題の解説

この問題の出題意図は、売上高と客数、客単価の算出方法を確認し、それぞれの関係を理解することが目的である。また、通常使用している客単価という言葉が何を示しているのか、実際の計算を通して意味を確認させる目的もある。
「何を示しているのか」とは、客単価が、どの時間帯のことなのか、あるいは場所別のことなのか、それとも月間トータルでの平均客単価のことを示しているのかという意味である。「場所別」とは、この問題では、フリー(予約なし)客と宴会客の区別を示している。同様のことを「部門別」という言い方もあるが、ここでは、メニューやレジなどで用いる部門と混同を避けるため、あえて「場所別」を使っている。

それでは、解答に移ります。

問題1

(表A)で空欄となっている売上高、客数、客単価(a~k)を算出し、空欄を埋めなさい。
※の欄(f、k)は時間帯別、場所別売上高とも合計売上高÷合計客数として算出のこと。

解答1

算出順に沿って、解説します。
売上高=客数×客単価であるから、
g=3,000,000円÷3,000円=1,000人
h=4,200,000円÷600人=7,000円
この結果、iとj が算出され、
k=7,200,000円÷1,600人=4,500円
(※の欄は時間帯別、場所別売上高とも合計売上高÷合計客数として算出のこと)
jとb、kとcは同じ答えとなるため、そのまま転記する。
a=4,800,000円÷3,200人=1,500円
dとeを算出し、
f=12,000,000円÷4,800人=2,500円

(表A):ある和食店の前年12月度売上高実績

時間帯別売上高 売上高(円) 客数(人) 客単価(円)
ランチタイム 4,800,000 3,200 a 1,500
ディナータイム 7,200,000 b 1,600 c 4,500
合計 d 12,000,000 e 4,800 ※ f 2,500
場所別売上高 売上高(円) 客数(人) 客単価(円)
ディナータイム・フリー客 3,000,000 g 1,000 3,000
ディナータイム・宴会客 4,200,000 600 h 7,000
合計 i 7,200,000 j 1,600 ※ k 4,500

問題2

前年ディナータイムの宴会組数が50組とした場合の1組当りの客数を算出しなさい。

解答2

前年ディナータイムの宴会組み数が50組なので、
600人÷50組=12人---1組当りの客数

解答 1組当り12人

問題3

本年度は、宴会客の客単価を消費の低迷のため1,000円下げる予定である。
この場合、前年並みに宴会売上高の実績を上げるには、宴会を何組とる必要があるか算出しなさい。
1組当りの客数は前年と同じとする。(小数点のある場合は切り上げ、答えは整数で算出のこと。)

解答3

本年度は宴会客の客単価は消費の低迷のため、1,000円下げるのだから、
7,000円-1,000円=6,000円---本年度の客単価
1組当りの客数は前年と同じとすれば、
前年並みの売上実績÷本年度の客単価=本年度の目標客数
4,200,000円÷6,000円=700人 となる。
1組当りの客数が前年と同じとすれば、
700人÷12人=58,33組 →切り上げて59組

解答 59組

問題4

もし、あなたがこの店の店長であれば、ディナータイムの宴会売上高の実績を前年並みに上げるために、どのような行動をいつ頃からするか、具体的に書きなさい。

解答4

ディナータイムの宴会売上高の実績を前年並みにするには、問題3の解答(59組)から、前年実績(50組)よりも9組増加させる必要がある。そのためには、過去2~3年の宴会実績をお客様別に拾い出し、自店を知っている企業から外商(セールス)すべきである。対象範囲は、自店を中心に徒歩で10分圏内が主対象であり、徒歩で15分までがポイントとなる。
外商による宴会利用の確率を、利用実績もあるため20%と仮定すれば、59組÷20%=295社がその対象となる。1日に10社外商するとして、295社÷10社=30日が必要となる。しかし、企業のため、土曜、日曜、休日が休みとなることから、実際には30日÷5日(月~金)=6週間となる。12月の第一週から忘年会がスタートするとすれば、少なくとも10月20日過ぎ頃から外商を初めなければならない。そのためには、宴会メニューや自社紹介のパンフレット、本年度の宴会予約の特典なども事前に決めなければならない。写真入りの案内などの作成を考えると、自店にてパソコンで作成するとしても、10月中旬にはそれらの作業を終える必要がある。
また、毎日10社を確実に外商するには、きちんと詳細な地図に訪問先をマークし、前回の幹事名や電話番号も控え、できるだけ予約を先方に入れた上で、効率よく回る必要がある。この和食店の客単価から想定されることは、高級店のため外商に際しても飛び込みではなく、前回の幹事やその方から紹介のあった担当者に訪問することがポイントとなる。

曜日場所別売上分析のまとめ

客単価と言っても、実際には昼の客単価なのか、夜の客単価なのか、宴会客までも含めた客単価を示すのかなど、色々なケースがあり、実際には、正確に把握する必要がある。その結果を把握し、分析することにより、問題3、4の解答に示すような対応も可能となる。
また、そのためには、客単価のデータを「時間帯別」や「場所別」にしっかりと算出できるようにデータ管理を行う必要がある。

  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
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