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清水均のフードビジネス短信

第1回 問われる「外食の真価」 その2 (2回連載)

それでは、その1で紹介した『ピザレストラン・ヒッコリー』について、もう少し紹介しましょう。「ヒッコリー」は、日本で初めてイタリアから石釜のピザオーブンを導入しました。ベストな状態で焼き上げるには、薪一本で微妙な温度調整を行う必要があるからです。粉からこだわり、2日間熟成して焼き上げる、本物のイタリアン・ピザを提供しています。2003年には、イタリアで毎年実施される世界ピザ職人選手権(世界30ヶ国からピザ職人400人が参加)で個人優勝、昨年は、アクロバット・チーム部門で準優勝を果たしました。「ヒッコリー」では、その実績を生かした本物の楽しいピザショーが、土日の昼と夜の2回、ライブで見ることができ、子供達に大人気なのです。世界ピザ職人選手権では、コンテストの後で歴代チャンピオンが焼き上げる本物のピザが、参加者と来場者に振る舞われます。コンテスト参加の真の目的は、その本物の味と技をしっかりと伝承させるためであり、2000年からアルバイトを含め、自社コンテストで勝ち抜いたメンバーで、社内研修の一環として参加しているのです。その結果、常に子供達から選ばれる店として、この厳しい時期にも結果的に数字を着実に伸ばしています。

幼児の遊べる、本格的で楽しく安全なスペースを店内に設置したのは30年近く前のことです。現在は、子供ピザ教室も開催しています。まさに商品力を基盤とする、「ヒッコリー」が守り続けてきた、外食の楽しい世界が展開されているのです。時代や経済動向に左右されない、本物の『外食の真価』が、ここにはあります。

「外食クオリティサービス大賞」の第一次審査は、お客様目線による顧客感動満足が審査基準となります。そして、第二次審査は、外食企業として、クオリティサービス(顧客感動満足の継続的・恒常的な提供を目的とした仕組み・システムを背景に生み出される『安定的に質の高いサービス』)を生み出す運営システム・仕組み・マネジメント・教育システムなどの企業活動が審査基準となります。「ヒッコリー」は、これだけの二次審査の尺度では測り切れない、企業にはない『私の町の飲食店』の暖かさや良さがあります。コンテストの後に、審査員各自の口から出たのは、「基準が変わっていれば、大賞(優勝)だったかもしれませんね。」という言葉でした。

ファミリーレストランの全国チェーンが衰退する時代の流れの中で、外食企業として成長する過程を通し、決して忘れてはならない『外食の真価』に気づかされた思いがしたのは、私だけではないでしょう。

フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均

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