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清水均のフードビジネス短信

第3回 日本人青年の造るニュージーランド・ワイン

南半球にあるニュージーランドは、今、美しい紅葉の時期にある。ちょうど1ヵ月前の4月前半は、葡萄の収穫時期にあたる。世界でも良質なワインが採れることで著名なマルボロー地区は、南島の北部にある。葡萄栽培に向いた地質と日当たりのよさ、適度な降雨量が、ワイン向きの良質な品種の葡萄を育む。収穫時期の気温は、朝夕は2℃、日中は21℃前後となる。その寒暖差のある冷涼な気候は、世界有数の高品質なソービニヨン・ブラン種やピノ・ノワール種のワインを産出する。そのピノ・ノワール種に魅せられ、ニュージーランドで40ヘクタールのワイナリー「クロ・アンリ(CLOS HENRI)」の葡萄園管理責任者をしているのが岡田岳樹さん(30歳)だ。

岡田岳樹さん(左)と著者の清水均氏(右)"
岡田岳樹さん(左)と著者の清水均氏(右)(清水均氏撮影)

葡萄園の中に移築された教会(ワイン・テスティングのスペース)
葡萄園の中に移築された教会(ワイン・テスティングのスペース)(清水均氏撮影)

岡田さんは、大学時代にワインを飲む機会があり、ワインと食事を合わせた際にお互いの風味が変わることに興味を持ち、葡萄の栽培とワイン醸造学に関して100年以上の伝統を誇る米国サンフランシスコ郊外にある、カリフォルニア大学UC Davisに2年間留学。その後、高品質なピノ・ノワール種のワインを生産すべく、2003年にニュージーランドに移り住んだ。

葡萄畑の植え付け、剪定やワイヤーでの枝揃え、摘果(良質の果実を得るための間引き)など、収穫後の数週間を除き、葡萄園管理の仕事は年間を通し、常にある。その中で、管理責任者として最も緊張するのが収穫日の決定である。日々熟成が進む葡萄の糖度と酸度のバランスの見極めと、天候との駆け引きがあるからだ。

今年収穫した葡萄は、醸造過程を経て、今はオーク樽に収められ、岡田さんが求めるワインのテイストへと醸成し始めている頃だろう。ピノ・ノワール種は、ニュージーランドで最も将来性が期待される品種である。素晴らしいワインを産出するニュージーランドのマルボロー地区やネルソン地区だが、難点が一つある。それは、各ワイナリーの規模が小さいため、輸出できる絶対量が極少なのだ。そのため、フランスの著名レストランなどでは、直接買い付けがなされている。彼の造ったピノ・ノワール種のワイン「クロ・アンリ(CLOS HENRI)」は、幸い日本にも輸入されている。彼が手塩にかけて育んだワインを機会があれば、是非味わっていただきたい。

「クロ・アンリ(CLOS HENRI)」のボトル・ラベル(教会が描かれている)
「クロ・アンリ(CLOS HENRI)」のボトル・ラベル(教会が描かれている)(清水均氏撮影)

  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
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