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清水均のフードビジネス短信

第11回 衛生管理を再確認せよ

「食」に関わる仕事をする人にとって、衛生管理に関する基礎知識は必須であり、衛生管理は細菌やウイルスといった「見えない敵」に立ち向かうために不可欠な技術でもあります。ともすると、忘れがちですが、私たちは「食」を通し、お客様の命を預かる仕事をしているのです。

15年以上前の話ですが、私自身が食中毒に感染したことがあります。9月1日に日帰りで宮崎県日南市に仕事で行きました。その日が漁の解禁日だったこともあり、帰りに蚫やサザエ、それに紫色の新鮮な卵を抱いた伊勢エビをお土産に頂きました。発泡スチロールの箱に新聞紙で包んだ氷を大量に入れ、最終便で家路につきました。

あいにく、自宅の冷蔵庫内はスペースがありません。翌日に家内が冷蔵庫にしまう予定で、私は都内の仕事から夜7時過ぎに戻りました。ところが、箱はそのままになっていたのです。開けてみると、氷が半分近く残っており、新鮮な状態に見えたので、自分でさばき、食べました。味にも問題はなく、翌日は新潟へ出張しました。

ところがその夜、打ち合わせ最中の夜7時過ぎです。急に血の気が引き、気持ち悪いと思った瞬間には、脂汗が出て顔面蒼白。挙げ句の果てに、嘔吐と下痢を小一時間繰り返しました。直ぐに近くの病院で治療を受け、その夜はホテルで休みました。数日は力も入らず、それでも4日後には正常に仕事もできるまでになりました。ところが、大変なのはその後でした。約4ヵ月間、夕方5時近くになると微熱が出て、体調不良になるのです。しかも、ちょっとした傷が化膿して治らないのです。実感として思ったことは、体力の無いお年寄りであれば、『死』もあり得るなということです。

原因は推測通り「腸炎ビブリオ」。おそらく、伊勢エビの卵です。それ以来、「食中毒に敢えてかかる必要は無いが、機会があったらかかるとその恐ろしさがよく分かる・・・」と恥を忍んで話しています。

以下のグラフ(資料1、2)は、厚生労働省が行った平成20年の食中毒発生状況調査データをグラフ化したものです。

資料1:平成20年 病因物質別月別食中毒発生状況

平成20年 病因物質別月別食中毒発生状況グラフ
※厚生労働省HP:食中毒に関する情報よりデータを引用

資料2:平成20年 病因物質別食中毒発生状況割合

平成20年 病因物質別食中毒発生状況割合グラフ
※厚生労働省HP:食中毒に関する情報よりデータを引用

件数ではなく、患者数ではノロウイルスとカンピロバクター、それにサルモネラ菌で全体の70%になります。企業研修などで気づくことは、この実態が把握されていないことです。特に40歳代以上の店長や調理長、エリアマネージャーといった管理者は、食中毒に関し古い知識とイメージがあるため、簡単なテストをすると、グラフにあるそれ以外の細菌類を挙げてしまうのです。

ノロウイルスやカンピロバクターは、予防や二次汚染を防ぐための知識と技術が多岐に渡るため、しっかりと店舗で対策を実践する必要があります。年間を通し、異常気象でもあり、この機会に自社内に於ける衛生管理の再教育と徹底をお勧めします。

  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
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