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清水均のフードビジネス短信

第14回 緊急提言!!食の「エデュテイメント」を構築せよ-その3-(5回連載)

元祖一頭買い・焼肉業態の革命児「但馬屋イーマ」

大阪駅の正面、ちょうど阪神百貨店の真裏に、E-ma(イーマ)ビルはある。その5階に、2009年3月末「但馬屋イーマ」は、株式会社牛心(以下、牛心)の5店舗目として開店した。

落ち着いた雰囲気の店内:個室
落ち着いた雰囲気の店内:個室

落ち着いた雰囲気の店内:個室
落ち着いた雰囲気の店内:個室

落ち着いた雰囲気の店内:通路
落ち着いた雰囲気の店内:通路

『牛匠、但馬屋・藤屋は牛まるごと一頭買い。それは、牛肉への徹底したこだわり』とパンフレットにある。1970年、大阪・吹田市に8坪のホルモン焼き「藤屋」として現・伊藤勝也社長の母が創業。その後、焼肉店として本物の和牛にこだわり続け、行き着いた先が、20年前から始めた牛まるごと一頭買いである。その自負と自信が、自らを「牛匠」と名乗らせている。

本物の旨い和牛をお客様に喜んでもらえる価格で提供したい。母の手伝いを通し、中学時代から豚一頭を捌(さば)くことができた伊藤社長のこの思いは、必然的に和牛一頭買いに結びつく。

和牛の旨さを決定する要素は3つある。

  • 血統
  • 飼料とその与え方
  • 生産者の愛を注ぎ込んだ育成

但馬屋では、雄牛と比較し、旨さに断然違いがある雌牛しか仕入れない。しかも、伊藤社長が自ら生産地を視察する。生産者との直接の会話を通し、和牛にかける愛と情熱で意気投合した方からだけお願いして仕入れているのだ。この思いは、社名「牛心」に凝縮されている。

選りすぐりの雌牛は、自社食肉センターで部位ごとに解体され、各店舗に配送される。自社のマイスター制度に沿って、店舗では、社員だけでなくアルバイトもミートカットと試食を通し、ユッケ→はらみ→・・・→ホルモンに至る部位ごとの特徴を順に学ぶようになっている。

社員・アルバイトとも、男性従業員の職務は、原則としてキッチンとホールの差は無い。その結果、本物の和牛を知り尽くした従業員が、直接お客様と接し、商品説明ができるのだ。また、客席のロースターで、部位に合わせた一番美味しい焼き具合を紹介しながらサービスする。

オーダーの際には、「血統」を証明する鼻紋(人間の指紋にあたる牛の鼻にある紋。固有の紋であり、子牛が成牛となっても拡大するだけで変化しない)付きの黒毛和種『子牛登記』書のコピーを解説しながら行われる。犬の血統証同様、曾祖父の代まで遡って血統が証明されている。「今日の牛は、血統に『平茂』が入っております。この血統の格付けでは和牛でも有数で、『差し』の入り方が通常では入りにくい、モモ肉まで入っております・・・」オーダーからサービスに至るまで、まさにエデュテイメントである。

これらの結果、美味いにも関わらず、部位としては他店ではなかなか売れにくいモモ肉の各部位が売れる。その結果、一頭買いのメリットが生かされ、お客様にとっての適正価格が実現されことになる。

  • ワインを注ぐソムリエ

メニュー開発も焼肉にとらわれず、和牛モモ肉のカルパッチョ、アンチョビの代わりに牛タンの薫製を使ったバーニャカウダ、極上ミノのエスカルゴグラタン風オーブン焼きなど、各種ある。しかも、但馬屋イーマでは、これらのメニューをラウンジで、ソムリエが選んだワインやシャンパンと共に味わえる。

「感謝」「感動」「感性」が牛心の理念である。この社長の思いが仕入れに始まり、最終的にエデュテイメントを通し、お客様の商品やサービスにまで、きめ細かく息づいている。まさに、牛とその生産者に心から敬意をはらい、命を頂いてお客様に提供する「牛心」但馬屋である。

掲載されている本文・画像は、株式会社牛心の許可を得て掲載しています。
  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
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