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清水均のフードビジネス短信

第17回 不易流行とサービスのパフォーマンス

「歌は世につれ、世は歌につれ」、先日亡くなった昭和の名司会者・玉置宏さんの流暢な言い回しが思い出されます。この短信が出る頃には、既に話題がズレている可能性もありますが、バンクーバーオリンピックの女子フィギュアスケートで、浅田真央選手とキム・ヨナ選手の対決を見ていて感じたことです。実力や表現力を別にして、開催地を意識した選曲も必要だと感じたのは、私だけではないでしょう。

確かに選手それぞれの個性を生かすという意味では、浅田選手の選曲は、ショートプログラムを含め、合っているのかもしれません。また、ラフマニノフの「鐘」は、浅田選手自身も気に入っているそうですから・・・。しかし、開催地を考えれば、キム選手が選んだガーシュウィンに軍配が上がります。ミュージカルでも著名なアメリカ音楽を作り上げた作曲家であり、日本でもよく耳にする『サマータイム』や『ラプソディ・イン・ブルー』は、私でも知っているくらいですから。隣国のカナダで受けないはずがなく、実際、観客の熱気は審査員にも伝わったことでしょう。

何にでも「不易流行」はあります。これは芭蕉の俳諧用語で[不易は詩の基本である永遠性。流行はその時々の新風の体。(広辞苑より抜粋)]のことです。時代が変わっても、変えてはならない基本と変えるべき表現の仕方があると解釈できないでしょうか。フィギュアスケートもパフォーマンスです。時代の流れの中で求められる表現の仕方が、ここ数年大きく変わっていっているように感じます。ショー的な要素が強まり、故マイケル・ジャクソンやマドンナ、ビヨンセのダンスなどにも見られるセクシーさも求められているのです。

お客様に対するサービスも業態に関わらず、年々パフォーマンスの要素が求められていることを強く感じます。サービスの基本や心遣いは不易です。しかし、時代の流れや対象となるお客様、そのTPO(時・場所・場合)によりサービスは変化する(させる)ものです。これが「流行」であり、サービス担当者のタレント(資質・才能)と個性、その表現の技法が商品知識をベースに、より求められる時代になっています。

フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均

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