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BistroMate飲食業向けASPサービス

清水均のフードビジネス短信

第18回 サービスの極意は「真実の瞬間」の追究にあり

「真実の瞬間」とは、本来は闘牛士が牛に最後のとどめを刺す瞬間を意味します。闘牛士にとっても牛にとっても、正に生と死を分ける、後にも先にも無い一瞬と捉えることができます。

サービスにも、その生と死を分ける一瞬があります。お客様の心を掴むか、離すか。その結果は、再来店に結びつけることができるかどうかで決まります。幸い、飲食店はお客様の在店時間が長く、「真実の瞬間」(2007年度第1回『MOT(真実の瞬間)とサービス』参照)のチャンスも数多く存在します。とは言っても、その極めつけは、前々回(2009年度第15回『バックツーベーシック「お出迎えとお見送り」』参照)で取り上げた、「お出迎え」であり、次が「お見送り」でしょう。

先日、私の関連するセミナーに、居酒屋を主体とするあるサービスコンテストで昨年度グランプリを獲得した布施知浩さん(26歳)をゲストスピーカーとして招き、話をしてもらいました。東銀座の居酒屋で、店長をしているバリバリの現役であり、前年売上実績を毎月更新しています。彼の話の中で一番印象に残ったのが、サービスを追求する中で考え出したオリジナリティ溢れる「新客サービス」です。

丁寧な挨拶の後に膝を突き、お客様に目線を合わせて、「オシボリをお持ちいたします。『熱いのと、冷たいの、それに人肌もございます』が、どれになさいますか?」と尋ねるのです。このセリフで、お客様は彼の店に親近感を抱き、アイスブレイク(※氷が解けるように緊張を和らげ、話しやすい雰囲気を作ること)状態となってしまいます。もちろん、なかには反応をあまり示さないお客様もいます。彼は「この瞬間」に、お客様ごとのサービスの距離感を絶妙に察知しているのです。あのテーブルは商品説明や会話を長くしてもよい。しかし、こちらのテーブルは・・・。といった具合です。

布施店長は、初めからこの一連のセリフが、お客様ごとの「あるべきサービス」を察知することにつながるとは、予想していなかったと言います。予約の電話や、入店からお帰りまでのサービスの見直しを考えている中で、結果的にその有効性が検証されたのです。 ここに価値があります。『真実の瞬間』を試行錯誤して追求する中で生まれた成果であり、布施店長のノウハウは、店のノウハウとして伝承されています。

彼が目指すサービスの想いは『終わらない喜び』であり、『日本を元気にする』ことです。縁あって店を利用したお客様を、家に帰ってまでハッピーにしているのです。

  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
記載されている内容は、掲載日(2010年03月23日)時点のものです。
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