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清水均のフードビジネス短信

第4回 計数管理の学び方・教え方(3回連載) その2 損益分岐点客数

損益分岐点客数

損益分岐点を公式でまる覚えしていると、意外に解けない問題です。ところが、ある「ヒント」を出すと、損益分岐点に初めてふれる方でも、大多数が解けるようになります。

そのヒントとは、

『お客様1人当たりの売上高と、その時のコストと利益を算出して考えてみましょう。また、難しく公式などで解こうとせず、算数で解いてみてください。』

解けなかった方は、ヒントを元に再挑戦してみてください。

それでは、最も分かりやすい解き方をご紹介します。

問題のおさらい

山田さんが専門業者からラーメン屋台をリースして、屋台のラーメン店を始めることにした。ラーメン屋台のリース料は1日当たり24,000円。このリース料には場所代や水道光熱費などが含まれている。ラーメンは売価500円、原価率は40%と設定した。原価率にはラーメンの麺、スープ、チャーシューやメンマ、ネギなどの食材の他、使い捨て容器や箸まで全てを含んでいる。山田さん自身は資金だけ出してアルバイトを雇って営業するが、やる気を出してもらいたいので人件費(アルバイト料)は売上高の20%を支払うことにした。従って、これだけで営業がスタートできる。それでは、以下の問題に答えなさい。

(問1)おさらい

山田さんが損をしないためには、お客様がラーメンを1人1杯食べるとすると、1日に何人の客数が必要となるか答えなさい。また、その時の売上高も算出して答えなさい。

解答

この問題は、損益分岐点の原点とも言える問題です。ポイントは、お客様1人に対して考えることです。

お客様が1人来ました。売上高は、

ラーメン500円×1杯=500円----お客様1人当たりの売上高→客単価

その時にコストが1人(客単価)当たりいくらかかるでしょう。

客単価500円×原価率40%=200円----お客様1人(客単価)当たりの原価
客単価500円×人件費率20%=100円----お客様1人(客単価)当たりの人件費

それでは、お客様1人(客単価)当たりいくら利益が出るでしょう。

お客様1人(客単価)当たりの売上高500円−(200円+100円)=200円
この200円がお客様1人(客単価)当たりの利益です。

ここで利益と書いていますが、実際には手元にお金が入るだけで、山田さんにとっては本当の利益になっていません。なぜなら、山田さんは1日にリース料24,000円を業者に払う必要があるからです。

従って、山田さんはこの手元に入ったお客様1人(客単価)当たりの利益で、24,000円を返し終えた時に、初めて本当の利益が残るのです。ですから、損をしないための客数は、

リース料24,000円÷客単価当たりの利益200円=120人 となります。

そして、120人×ラーメン1杯500円=60,000円 がその時の売上高となるのです。

答え. 120人、60,000円

(問2)おさらい

山田さんは副業ではあっても、1日に最低8,000円の必要利益が欲しい。そのためには、1日に何人の客数が必要となるか答えなさい。また、その時の売上高も算出して答えなさい。

解答

(問1)の答えで損をしないことが分かったので、あと何人お客様が必要かを算出すればいいことになります。

山田さんの必要利益8,000円÷客単価当たりの利益200円=40人
損をしない客数120人+必要利益を得るための追加客数40人=160人

そして、160人×ラーメン1杯500円=80,000円

が必要利益8,000円を得るための売上高となるのです。

答え. 160人、80,000円

※別解

(問2)はこのようにしても解けます。それは、リース料に必要利益を足してから、必要利益8,000円を得るための客数を算出するのです。

(リース料24,000円+必要利益8,000円)÷客単価当りの利益200円=160人

と算出できます。

問題と解答は、清水 均著「飲食店 攻めの計数 問題集」商業界発行より引用

解けたでしょうか。既に損益分岐点売上高を理解している方も、多少の発見があったと思います。実はこの問題の(問1)に出てくる解答が損益分岐点客数であり、損益分岐点売上高です。損益分岐点を理解するには、損益分岐点客数から考える方が計数の苦手な方や初心者には分かりやすいのです。

次回は、グラフを使用した詳細な解説をご紹介します。

  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
記載されている内容は、掲載日(2010年07月05日)時点のものです。
コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
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