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清水均のフードビジネス短信
第6回 脱・低価格マーケティング『知覚価値の食』づくり(2回連載) その1
低価格へのシフトに対抗するには、『知覚価値の食』づくりが不可欠である。知覚価値とは、5感(視覚・聴覚・味覚・臭覚・触覚)への刺激を通してもたらされた「情報=刺激」をもとに、さらに+α(アルファ)の価値を産み出すことである。素材や調理の仕方、提供方法など、5感に関わるストーリーを展開し、顧客に価格に見合った、あるいはそれ以上の付加価値を納得させるのだ。
例えば、マクドナルドのダブルクォーターパウンダー・チーズ(単品490円、セット790円)とプレミアムローストコーヒー(Sサイズ120円)は、単にMacの価格構成から見れば、高価格と低価格となる。しかし、これらの商品が売れている本質は、その知覚面でのバリューにある。前者はジューシーで旨い本格派のハンバーガーであり、後者は豆のブレンドや焙煎に手間ひまをかけた本物の香り高い・おいしいコーヒーだから売れているのだ。正に『知覚価値の食』である。
特に、プレミアムローストコーヒーは、マクドナルドの高品質のイメージリーダーであり、日本では新業態となる「Mc Café」 へ誘導するための戦略商品でもある。首都圏で今年の正月から放送されている歌舞伎役者達が登場するテレビCMも、渋谷広域商圏に展開した新デザインのリニューアル店舗も、企業として低価格から脱却するための知覚価値づくりの一環である。また、パブリシティ(ニュースや記事で取り上げられる無料広告)を意図した、マクドナルドらしい卓越したマーケティング戦略と捉えることができる。
- (連載)
- ケーススタディ1 マクドナルドのマーケティング戦略(2010年08月16日公開)
- ケーススタディ2 サントリーのハイボール (2010年08月30日公開)
フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
- ※記載されている内容は、掲載日(2010年08月16日)時点のものです。
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