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清水均のフードビジネス短信

第11回 2011年・外食成功のキーワードは『捨てる』(4回連載) その3

北陸発・世界を目指すチャンカレ

以前にも紹介していますが、米国では「クイックカジュアル」という業態が好調です。専門店や高級店の売れ筋メニューに絞り込み、商品は本格的でも、価格はそれらの2/3以下、サービスもセミセルフなどを導入して簡素化し、商品提供を早めた業態を指します。ポジショニングとしては、ファーストフードとカジュアルレストランの中間であり、「ファーストカジュアル」とも呼ばれます(参考:2008年度第2回『ファインカジュアルとファインダイニング』)。正に、余分なものを捨て去ることで、高品質とリーゾナブルな価格、適正なプライム(FL)コスト、スピード提供を実現した業態です。

実は、日本で50年以上にわたり、この業態を標榜する外食企業があります。テレビの県民ショーなどをきっかけに、北陸から全国区となった『チャンカレ』(株式会社チャンピオンカレー・南政広社長)です。元祖・金沢カレーであり、地域では親しみを込め、『チャンカレ』と呼ばれます。本店の所在地は金沢工業大学直近、野々市にあり、厳密には金沢ではありません。金沢市から車で20分と決して恵まれた立地でないにも関わらず、連日老若男女のファンが押し掛けています。オーダーは、自販機で食券を購入。売れ筋はカツカレー。ライス350グラムに自家製カレーソース、それに米国産の安心・安全な豚肉140グラムのトンカツが、食べやすい細さにカットされ、新鮮なキャベツと共にワンプレートで提供されます。誰もが納得の680円(本店のランチタイムは580円)です。

チャンピオンカレー本店
チャンピオンカレー本店

カツカレー
カツカレー

レトルトカレーパック
レトルトカレーパック

東京で本格フランス料理を学んだ創業者が、帰郷して洋食喫茶店を開業。経営を続けるうちに余分なものをすべて捨て去り、カレー専門店として50年の歴史と伝統を誇るまでに至っているのです。金沢カレーと称する似通ったカツカレーの元祖であり、すべてのルーツ(原点)はチャンカレにあります。

白山の美味しい伏流水を使い、*HACCP認定の自社工場で製造して、各店に直送される秘伝のカレーソースは、たかがカレーを超え、正に、されどカレーの域にあります。 その証拠は、リピート率の高さに現れています。県民ショーなどテレビで紹介されると、話題となり2、3週間混雑する店は多いものです。しかし、チャンカレはテレビをきっかけに利用した初回客がリピーターとなり、数ヶ月経っても衰えることなく、着実に客数を増加させています。

国際基準(*HACCP)の衛生管理に裏付けられた安全・安心なカレーソースは、モンド・セレクション2010の金賞を受賞し、世界で認められた商品の味と品質です。金沢カレーにとらわれることなく、日本から世界一のチャンピオン・カレーを目指し、南社長は創業者から引き継いだ味を、今日も磨き続けています。

*HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point):アポロ計画(NASA)に起源を持つ、食品製造全過程の安全に関する科学的管理法。通常、ハセップまたはハサップと発音される。

「モンド・セレクション2010」金賞受賞
「モンド・セレクション2010」金賞受賞

次回は、米国の事例をお届けします。

掲載されている画像は、株式会社チャンピオンカレーの許可を得て掲載しています。
  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
記載されている内容は、掲載日(2011年02月07日)時点のものです。
コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
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