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清水均のフードビジネス短信

第1回 攻めの計数「客単価は生産性の基盤」-その1-

『生産性』は利益と賃金の源泉

このフードビジネス短信の2010年度第7回で「客数は経営の基盤」であると解説しています(参考:2010年度第7回『攻めの計数「客数は経営の基盤」』(5回連載))。その冒頭と重複しますが、拙著「フードサービス攻めの計数」に始まる攻めのシリーズでは、売上高を表す際に、必ず「売上高=客数×客単価」と表現しています。その理由は、客数こそ経営の基盤であり、店長の実力のバロメーターだからです。

客数に対し、今回は6回シリーズで「客単価は生産性の基盤」であることを、さまざまな角度から解説します。生産性とは「投入した資源」に対し、どれだけ多くの「付加価値」を生み出すことができたのかを表す用語です。また、その効率や寄与した度合いを示すこともあります。

経営の資源は、よくいわれる『人・物・金』がありますが、さらに『情報・時間』を足して、5つあると考えると便利です。例えば、ある店のランチタイムの売上高がいつも9万円であるとします。朝の準備も含めたランチタイムの時間帯に、Aグループのメンバーがシフトに入ると、この売上高を合計20時間の労働時間で顧客満足を損ねず達成しています。ところが、Bグループがシフトに入ると、同じ9万円の売上高を合計15時間で顧客満足を損ねず達成してしまうのです。この場合、生産性の高いのは当然Bグループです。あえて極端な例をあげていますが、人時売上高を使えばすぐに計算できます。

《Aグループ》売上高 90,000円÷労働時間 20時間=人時売上高 4,500円
《Bグループ》売上高 90,000円÷労働時間 15時間=人時売上高 6,000円

仮に客数が同じであれば、Bグループの”各個『人』”の能力が高いだけでなく、食材や仕込みなど『物』の手配や準備もしっかりと行っていることでしょう。また、同じ投下資本や家賃(=『金』)の店で、Aグループより少ない”投入『時間』”で対応できるのは、ピークタイムの混雑する時間帯予想や、売れる商品予測などの『情報』を分析し、人員配置をしているからです。

生産性が高ければ、企業における利益が拡大します。また、従業員にもより多くの賃金が支払えます。フードサービス業の人件費は、粗利益の35~40%以内が適正値となります。これは、人時売上高×粗利益率=人時生産性(1人1時間当たりの粗利益)を算出し、これに35~40%を掛ければ算出できます。この粗利益にしめる人件費の割合(人件費÷粗利益=35~40%が適正値)を「労働分配率」と呼びます。

先の例なら、仮に粗利益率70%、労働分配率40%とすれば、

《Aグループ》
人時売上高 4,500円×粗利益率 70%=人時生産性 3,150円
人時生産性 3,150円×労働分配率 40%=1,260円

《Bグループ》
人時売上高 6,000円×粗利益率 70%=人時生産性 4,200円
人時生産性 4,200円×労働分配率 40%=1,680円

この1,260円と1,680円は企業として支払える1時間当たりの人件費なのです。

従って、この数値に月間労働時間を掛ければ、企業として支払える従業員の月間平均賃金が算出できます。仮に月間労働時間180時間とするならば、

《Aグループ》人件費 1,260円×月間労働時間 180時間=226,800円・・・従業員の月間平均賃金

《Bグループ》人件費 1,680円×月間労働時間 180時間=302,400円・・・従業員の月間平均賃金

月間で75,600円(=302,400円-226,800円)の賃金格差が出るのです。

生産性が高ければ、開業時の投下資本(減価償却費)や家賃は固定費で変わらないため、企業としての利益も拡大します。しかも、高賃金を従業員に支払うことも可能となります。まさに、『生産性』は利益と賃金の源泉なのです。

  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
一部内容を2011年03月17日に変更しました。
コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
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