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清水均のフードビジネス短信

第1回 攻めの計数「客単価は生産性の基盤」-その5-

客単価と価格政策

メニューの価格政策で用いるさまざまな用語をまず整理してみましょう。「プライスゾーン」とは、メニューの中で一番低い単価のメニュー品目から一番高い単価のメニュー品目までの価格の幅をいいます。メニュー政策は、業態に合わせ適正なプライスゾーンを設定することから始めます。そのプライスゾーンの中にいくつかある値づけ(価格)を「プライスライン」と呼びます。

図で見るメニュー価格政策

図で見るメニュー価格政策

グラフは、清水 均著「フードサービス攻めのメニュー戦略」商業界発行より引用

原則として、ファストフードではプライスゾーンが狭く、プライスラインの数も少なくなります。また、一般的なファミリーレストランの場合にはプライスゾーンが広く、プライスラインの数も多くなります。

それぞれの業態は、プライスゾーンの中にプライスラインを意図的に集中させた山(価格帯)を1~3つ計画的に作り出し、値打ち感を出しつつトータルでの客単価をコントロールする必要があります。これらのメニュー政策がしっかりしていれば、原則として、顧客はプライスラインに沿って商品を買上げるため、集中したプライスラインの価格帯の商品販売数は多くなり、少ないプライスラインの商品販売数は少なくなるのです。それは、メニュー価格帯分析と商品販売数との相関グラフを見れば明らかです。
また、その山(プライスラインを集中させた価格帯)の中で顧客がその店を利用した際に、最も値打ちに感じる(値ごろ感のある)価格帯を「プライスレンジ」と呼びます。
メニュー改定の際には、これら意図した価格帯での販売数が適正となるように新商品の導入と既存商品の見直しや中止が行われます。もちろん価格政策面だけの問題ではなく、顧客ニーズや時流に対応した商品の改廃が優先して行われることは言うまでもありません。

それぞれの業種・業態によって商品・サービス・店格(外観やアプローチ・庭などの店構えやインテリア・デザイン、調度品などにより醸し出される店のレベルやイメージ)などのトータルな価値に対して、顧客が支払っても良いと思う金額には許容限度があります。従って、プライスゾーンはそれぞれの業種・業態や立地の特性により、自ずと上限が発生します。また、時流や環境の変化、景気動向などにより、同じ店であっても顧客が認める(納得できる)上限価格やプライスレンジは微妙に変化するものです。これらが顧客ニーズに合致していなければ利用客数は自ずと減少します。

従って、値上げと値下げは顧客ニーズの変化を読み取りながら、このプライスゾーンとプライスレンジを戦術的に微妙に変化させることで実施されるべきです。その理由は、顧客側の心理的な抵抗感をできるだけ排除することが可能となるからです。その結果、1品平均単価を上げれば値上げとなり、下げれば値下げとなります。

外食業界は、先行き不安の中で生活者の価格に対する意識が高まっています。特に800円以下のプライスゾーンの業態では、20円~30円の値下げが客数の増加に結びついています。また、宅配ピザ業態も実質的な価値に対する価格の見直しが迫られています。現状は、メール添付の各種クーポンによる実質的な値引き販促で客数(オーダー数)確保に対応していますが、抜本的にはプライスゾーンの上限を下げない限り厳しい局面は続くでしょう。

  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
記載されている内容は、掲載日(2011年05月23日)時点のものです。
コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
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