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清水均のフードビジネス短信

第6回 外食に求められる価値の多様化への対応

異常気象が地球規模で発生し、もはや『異常』という言葉が不適切といわれている。同様に景気低迷も恒常化し、今後も少子高齢化は進み『常態』と化した感がある。このような状況下にあり、外食市場は単純な「低単価対高単価」という二極分化から、「実用食対知覚価値の食」という二極文化に変化し、さらに多様化しつつある。

『実用食』とは、早く・安く・そこそこの味だが、お腹は満たせる食事を指す。価格に関わらず安心・安全は必須である。『知覚価値の食』とは、5感(視覚・聴覚・味覚・臭覚・触覚)への刺激を通してもたらされた情報=刺激をもとに、さらに+α(アルファ)の価値を見いだす食事のことだ。

あえて単純な言い方をすれば、「食べ物」から「食べる事」である。使い古されているが『物』を売る時代から、『事』を売る時代となっている。この「食べる事」に対し、各個人が知覚を強化し、付加価値を見いだすのが『知覚価値の食』である。

外食に求められる価値の多様化について、牛丼業界を例に挙げ説明してみよう。Y家の牛丼を主体とするメニューは正統派の牛丼チェーンであり、他社の牛丼チェーンと比較し明らかに味では勝っている。しかし、価格面では他社に比較し割高感は否めない。他社の牛丼はキムチや鰻なども組み合わされており、牛丼以外のメニューも多種ある。正統派?ではないが、味・分量・価格面で選択範囲が広く、顧客層及び利用動機の幅も広がる。

牛丼チェーンを利用する顧客は3分類できる。Y家しか利用しない顧客。どちらも利用して使い分ける顧客。Y家を利用しない顧客である。Y家以外の他社を、販促などをきっかけに初めて利用する顧客の利用動機は、好奇心と価格優先の「実用食」にあると考えられる。しかし、価値の多様化した消費者は、この初体験をきっかけに新しい「知覚価値の食」の要素も見いだしており、Y家離れが進む事がY家としては一番怖い。

消費者の価値の多様化に対応する必要があるのは、牛丼業界だけではない。今、柔軟性と不易流行の見極めが、トップマネジメントに求められている。

  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
記載されている内容は、掲載日(2011年08月29日)時点のものです。
コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
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