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清水均のフードビジネス短信

第8回 不振を打破する「基幹商品の絞り込みと品質管理徹底」(3回連載) その1

基本品質の絶対優先順位は『安全性』

今年4月、焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」でユッケによる集団食中毒が発生。さらに和牛ユッケは実は交雑種の牛肉も混入しており、偽装という事実も発覚した。社長の逆切れ会見も話題となったが、幼児や40代の女性など4人が死亡。その後、従業員全員を解雇し会社は倒産した。

さらに7月には3・11東日本大震災に端を発する飼料用の稲わらによる、和牛など肉用牛のセシウム汚染問題が発生。消費者の不信感は未だ尾を引いている。焼肉業界を筆頭に、和牛など国産牛を主体とするステーキやしゃぶしゃぶなど肉料理専門店業界は、5月以降現在に至るまで、売上高前年対比20~30%ダウンと多大な影響を受けている。

また、「ステーキガスト」が好調に展開している矢先、残念ながら東北4県の「ガスト」で細菌性赤痢による食中毒事故が発生した。実際、9月初めに首都圏の「ガスト」を利用してみたが、ディナータイムのピーク時間帯でも客足はまばらだった。  現在、多くの飲食店が規模に関わらず、本来混むべき土曜や日曜・祭日の客数減が顕著となっている。平日のディナータイムの客数減少を何とかそれらの曜日で盛り返し、売上高を確保していただけに、厳しい現状である。

この不振を打破するには、「基幹商品の絞り込みと品質管理徹底」しかない。そこで、今回は3回シリーズでその成功事例も紹介しながら検証する。

「食」に求められる基本品質の絶対条件は『安全性』である。さらに外食では、商品の価格以上の『おいしさ』と『栄養価や適正なボリューム』が求められる。この基本品質の向上と見直しこそ、不振に喘ぐ飲食店が取り組むべき最優先課題である。苦し紛れから、下手な商品開発でメニューを増やし、局面を打開しようと四苦八苦する飲食店は多い。しかし、基幹商品を主体にメニューを絞り込み、さらに自店・自社の基本品質の向上と見直しなくして、今後の安定経営は無いと捉える必要がある。

次回は、この成功事例を紹介し、生産性と経営効率面からもそのポイントを分析する。

フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均

  • 記載されている内容は、掲載日(2011年10月11日)時点のものです。
  • コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
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