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清水均のフードビジネス短信
第9回 サービスと個人パフォーマンスの混同
ここ4、5年前から、スペインの『バル』で提供される各種小皿料理「タパス」をメインにした洋風居酒屋業態が、規模の大小を問わず増えている。小皿料理は、300円~500円といった同一売価で、30種類以上が楽しめるようになっている。アルコールや自家製サングリアなどドリンク比率も高く、また「タパス」は調理が簡素化されたものが多く、分量で調整できるメリットもある。その結果、食材原価率は低く管理が可能である。
スパニッシュ・イタリアン+米国ダイナーをコンセプトに、大型のバーカウンターを取り入れ、メインディッシュとして美味しいピザやスパゲティ、ボリュームがあり切り分けて「つまみ」にもなる各種ハンバーガーを売り物にする著名店が六本木にある。1人でもカップルでもグループでも、予算と時間など利用動機に合わせ、大型のバーからテーブル席、ソファー席や個室など、使い分けができることも魅力となっている。10メートルを超えるスタイリッシュなバーで立ち飲みをする外国人も多く、いかにも六本木といった風情がある。
ホームページからデータをチェックすると、夜の時間帯は4,000円~5,000円が客単価となっている。料理の品質対価格との価値に対し、リーゾナブルな料理もさることながら、繁盛店としてこの客単価を支えているのはサービスレベルである。
働いているのはセミプロともいえるフリーターが多く、サービスがよいことでも著名なグループ店である。ところが、先日の利用に際し、ちょっと気になることがあった。テーブルを担当したサーバーが、サービスと自分のパフォーマンスを勘違いしているのだ。「お薦めは?」と聞くと、数品目を紹介してくれたが、問題はその態度である。メニューを人差し指で示すと、お薦めのメニューのある辺りをせっかちに人差し指でグルグルと回し、仕舞いには、ポンポンとその指で叩くのである。明らかに癖になっている。
さらにまったく場の空気が読めない。お薦めに対し、利用客4人(内、女性1名)の反応が悪いにも関わらず、異なる切り口(利用客に相応しい)での代替えのお薦めが無いのだ。直ぐにオーダーが決まらないと分かると、さっさと別のテーブルに行ってしまった。
しかし、テーブル担当制で売上ノルマもあるのか、追加オーダーだけは熱心なのだ。本人にとってはさっそうと(利用客からはせっかちに、急に)現れては、アナザードリンクや料理をお薦め(やや強引に売り込み)してくる。不愉快にまでは至らないが、次回はこの担当者は避けたい。お客様の立場になって対応したり、丁寧でスマートな動作など、「サービスの基礎」を学んでもらいたい。『サービスはお客様の数だけ』あるのだ。これは、この担当者だけの問題ではない。サービスと自分のパフォーマンスを混同している若者は多い。
フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
- ※記載されている内容は、掲載日(2011年11月28日)時点のものです。
- ※コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
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