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清水均のフードビジネス短信

第13回 客数を着実に増やす「クオリティコントロール」のすすめ

トヨタ自動車の「改善」活動は、国際用語として通用するほど有名である。そのベースともなった活動がQC(クオリティコントロール:品質管理)の現場単位のサークル活動である。

飲食業の場合、QCの基本は『温度・時間・分量』管理である。そして、さらに『状態管理』を加えるとよい。状態管理とは、各段階であるべき状態となっているか管理することである。先にあげた『温度・時間・分量』が合っていても、使用する食材によっては時間経過とともに味が変化=劣化することがある。

湯煎で管理しているスープやソースなどは、時間経過とともに水分が蒸発し、煮詰まっている。従って、30分ごとに味をチェックし、ブイヨンや水を入れ調整する必要がある。また、フライヤーやグリドルも目盛では180℃となっていても、実際に調理機器にも使用できる(センサー部のアタッチメントが変えられる)デジタル温度計を当てて計ってみると、172℃であったり、逆に187℃であったりといったことはよくある。従って、『状態管理』も行い、チェックする必要があるのだ。これではいくら調理マニュアルで時間を管理しても、おいしい料理=品質管理には結びつかない。

また、食材が配送されてから、仕込み・調理を経てお客様に提供されるまでの各段階におけるチェックも、重要なポイントとなる。例を挙げれば、マクドナルドでは、バンズの納品時にバンズにできた気泡のサイズをチェックする。一つの気泡でも基準値を超えたサイズがあれば、納品されたロットは全て返品という厳しい処置がなされる。

要注意なのは納品時間帯の問題がある。ランチのピークタイムでも、納品を黙認する店は多い。しかし、本来その時間帯はお客様に集中すべき時間であり、検収作業どころではない。その結果、冷蔵品も冷凍品も放置されることが多く、自ずと品質は劣化する。納品時の品質基準(トマトの熟成度、ネギの太さ、ロース肉の芯のサイズや脂肪のつき具合など)と共に納品時間帯の規約は、業者と契約時に取り決めすべきである。

保管方法も重要である。冷蔵・冷凍・常温に関わらず、各食材別に管理すべき温度帯や使用頻度による『あるべき棚割りや配置・置き方』がある。この結果、定位置管理を原則とし、先入先出の徹底をルール化しなければならない。

また、解凍方法や解凍後の仕込みなども、食材別に明確にする必要がある。さらに解凍後の基準やそのチェック方法なども、QCの一環として科学的(=可能な限り数値化して)に定めておかなければならない。

個人店、外食企業を問わず、とかく客数減少が続くと、直ぐに販売促進やメニュー開発と称し、メニューを増やし、対応したつもりになっている。しかし、実態は販促の費用対効果は低く、メニューも増えただけでオペレーションが複雑となり、商品のバラツキや提供時間が遅くなっていることの方が多い。

最優先課題は、QCによる、食材の納品から料理となってテーブルに提供されるまでの、各段階における品質向上を目指す改善活動である。これらを実施できれば、美味しさのバラツキは減り、規模や業態に関わらず確実に客数アップとなって還元される。

  • フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
記載されている内容は、掲載日(2012年3月12日)時点のものです。
コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
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