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神谷豊明のワインコラム

第9回 味と年齢

~味覚の変化と発達~

今回は味覚鑑定システムのデータを参考に、年齢・性別ごとの味覚の特長と変化についてお話ししたいと思います。

味覚は「酸味・甘味・苦味・旨味・塩味」の5つが基本味と考えられています。ソムリエのワインテイスティングでは、これにアタック・渋味・余韻を加え、計8項で味わいを分析します。この中でも最も重要な味覚は「甘味」です。
「甘味」、すなわち糖分はエネルギー源としてヒトの生活に必需であり、歴史的にも「砂糖あるところに奴隷あり」と言われたり、サトウキビプランテーションのための土地や労働力の争奪戦が紛争の火種となってきた事からも、人類が砂糖に見せた執着がわかります。また母乳が甘いように、小さい時から慣れ親しみ、好んで摂取しようとする味わいです。

下のグラフはワイン検索システム「コムリエ」より収集した、約3,000人の性別・年齢別の味覚の嗜好変化を表したものです。
収集方法は「甘味」についての習慣的な好みを探る質問(例:次のカクテルでどれが好きですか? A:カルーアミルク B:モスコミュール C:マティーニ)のように甘さの程度の違う選択肢から、どれを選ぶかによって好みを探ります。
このように収集したデータから、年齢による甘味についての欲求の移り変わりがよく分かります。

  • 男性では、30代・60歳以上が甘味を好み、年齢と共に苦手な人も増える
  • 女性では、20代・60歳以上が甘味を好み、男性に比べ苦手な人の割合が少ない

一般的に、甘い物を食べたくなる理由として「疲れた時」「ストレスを感じた時」など精神的な依存があります。上のグラフでも、男性では多忙で活動的な世代や、社会的地位が高まる頃に「甘味=エネルギー」を欲しがる傾向にあるようにも見えます。

このデータを参考に料理の味わい、ドリンクのラインアップを考えてみても面白いのではないでしょうか。
社会生活が活動的で忙しい人が多い場合は、やや甘口の濃い味付けがウケルかもしれません。
また焼き鳥のように「タレ」・「塩」といった違うタイプ味付けが用意されている場合、「タレ」のオーダーが多ければ「甘めのカクテル」の種類を増やすなど、 その割合からドリンクのラインアップ を調整すると売上が上がるかもしれません。

あなたのお店はどんなタイプのお客様がご来店されているか、味覚から探ってみるのも一つの試みかもしれませんね。

-次号へ続く-

シニアソムリエ 神谷 豊明

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