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神谷豊明のワインコラム

第14回 舌の使い方

町を歩く人達の服装も秋らしくなり、赤ワインを美味しく感じる季節になってきました。
今回は、赤ワインのテイスティングや味わいを見分ける舌の使い方をお話しします。

舌の部位の違いによる、味わい分析の仕方

舌の部位によって、味わいの感じ方が異なります。私達ソムリエは、ワインやその他の飲み物の味わいを判別する時に、細かく味を分解してそのバランスの違いで特長を理解します。
そのため、下記の図のように部位ごとに味わいを分けて読み取ります。
舌の先は「甘味」を読み取る部分で、他の部分より甘さを強く感じます。根元部分では「苦味」、舌の両サイドでは「酸味」を強く感じます。「酸味」は舌を「チクチク」刺すような感じ方で、その強弱で程度を測ります。

舌の部位による味わいの読み取り方

読み取り方の例で、グレープフルーツジュースと牛乳を飲み比べます。
グレープフルーツジュースは舌を刺すような「酸味」を舌の両サイドで強く感じ、舌の奥で程よい「苦味」も感じます。一方、牛乳は舌触りが柔らかく円やかに感じ、酸味をあまり感じません。

このように、ワインの味わい分析も舌の部位ごとに味わいを分けて、その程度を読み取りそのバランスによって、「ブドウ品種」「国」「産地」「生産年」等を推測することができ、特長を判別していきます。

ここで2つの赤ワインのテイスティングコメントを聞いてください。

赤ワインA
「酸味はしっかりと有り、甘味は控えめ。苦味は程よく渋味は強い」
赤ワインB
「酸味は控えめで円やか、優しい甘味と苦味があり、渋味は穏やか」

赤ワインAは、「酸味」が強いと言うコメントで、若いワインだと分かります。(ワインは酸化によって熟成していき、年が経つにつれて酸味が和らぎます)また渋味が強い=凝縮感のあるブドウ品種が原料だと分かります。

赤ワインBは、「酸味」が控えめと言うコメントで、熟成したワイン、生産地域の暖かい気候で育ったブドウで作られたことがわかります。また「渋味が穏やか」で熟成したワインだと分かります。

このように、ワインの味の情報は、細かく分析することによってワインを取り巻く環境を推測でき、そのワインに合ったサービス方法・料理等を考えることができます。確かにワインは難しく、分かり難い飲み物ではありますが、1つ分かると急速に楽しくなり“食事を豊かなもの”にしていきます。

夕方の肌寒い空気が、ワインの衣替えを知らせてくれます・・・

-次号へ続く-

シニアソムリエ 神谷 豊明

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