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神谷豊明のワインコラム

第17回 注ぐ人によって味が変わる

抜栓から注ぐまで

私達ソムリエは、1本のワインを抜栓し、お客様に注ぐまでに様々な事を考えます。
考える材料となるのは、ワインの状態をチェックする為のテイスティング(試飲)です。

この試飲で、ワインは、傷んでないか?
ワインの熟成状態はどうか?
合うグラスは?
適正な温度は?
味わいのバランスが整う時間帯は何分後か?・・・・

このような幾つもの項目の状態を把握し最適なサービス方法を選択し提供しています。
同じワインでもソムリエの考えが違えば、サービス方法も変わってきます。ワインは抜栓後、時間と共に味わいが変わります。また空気に触れる量や温度によっても変化していきます。ソムリエにはこのような味わいの変化のコントロールが必要で、どのようにコントロールするかは、お客様の食事の流れや好みによって調節します。
乗馬のように馬と人間の心が繋がった時の快適な一体感が、ワインとソムリエにはあります。

ワインを注ぐポイント

【Point.1 ホストとゲストを読む】
サービス順序(注ぐ順番)やサービス回数(ゲストに注ぐ回数よりホストに注ぐ回数を多くしないように1回に注ぐ量で調節する)を考えサービスします。
【Point.2 グラスに注ぐ量をTPOによって調節する】
ワインのフルボトルの量は750mlで通常グラス6~8杯分です。例えば6人のお客様に注ぐとすると1人の量が125mlになります。しかし多く飲まれる方とあまり飲まれない方がいる事を考え、一度で全部注ぎきりません。まずは少しずつ注ぎ、飲まれる方とあまり飲まれない方が何方なのかを把握します。
複数のお客様には、お客様のグラスの中のワインが最後に誰も飲み残しが無いように注ぎきることに注意をします。誤ってあまり量を飲まれない方に多く注いでしまい、残させてしまうようなサービスはよくありません。
【Point.3 テーブルに行く回数を減らす】
お客様の居心地の良い空間を作るには、スタッフの配慮が必要です。お客様にもよるのですが、テーブルにスタッフが何度も行くのは落ち着きなく感じます。ワインを注ぐ時も、料理を出した後やお皿を下げる前に注ぐなど、一連の動作の中で作業することが綺麗な流れをつくり、効率も上がります。

ギャルソン・ソムリエはただの「物運び」だけでなく、支給係として良いサービスを考え常に自分の1歩の意味を問いながら仕事をする。
良い仕事をすれば、自分の存在価値が実感できる。この喜びがスタッフを生き生きさせていきます。

-次号へ続く-

シニアソムリエ 神谷 豊明

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