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神谷豊明のワインコラム

第13回 Spain スペイン

世界市場に名乗りを上げた王国「スペイン」

歴史

スペインでワインの醸造が始まったのは紀元前1100年~500年頃。その歴史は古く、イスラム支配下では一時衰退したものの、紀元前の昔から20世紀の現在に至るまで、全土でワインが造り続けられてきました。
その昔は、単なるお酒という以上に滋養薬として珍重され、ワインを使った古代治療の処方箋が今でも多く残されています。一説によると、乾燥の激しい地方では、建物のモルタルを練るのにもワイン用のブドウを使っていた時代があったとか。まさに、ワインと暮らしは切っても切り離せない関係だったようです。
スペインのワインは有史以来の長い間、セメント甕の中で自然醗酵させる原始的なスタイルで造られていました(日持ちは悪いけれども、それはそれで野生味にあふれた魅力があります。) 醸造技術が飛躍的に進歩したのは、19世紀後半の頃。フランスのボルドーでフィロキセラ(ブドウの木に巣食う害虫)が発生し、フランスのワイン醸造者たちはこぞってスペインに移住しました。ここで樽熟をはじめとする高度な醸造技術が導入され、スペインワインは着々と近代化への道を歩み始めたのです。
同時に、ワインの品質を下げないための規制基準が設けられるようになり、1970年には原産地呼称制度(Denominacion de Origen)を制定。厳しい基準管理のもとに、今でも世界中のワインフリークをうならせる逸品を生産し続けています。

特長と近年の傾向

意外に知られていないことですが、スペインのブドウ作付面積は世界一。ワイン生産量こそイタリア、フランスに次いで第3位となっているものの、世界有数のワイン大国です。
ヨーロッパやアメリカでは、スペインワインは「高品質でコストパフォーマンスが高いワイン」として安定した人気がありますが、日本での知名度は残念ながらいまひとつといったところです。
輸入の量も種類も決して多いとはいえず、イタリア、フランス、最近急に注目度を増したチリやアルゼンチンなど新大陸のワインの狭間で、ちょっと置き忘れられた存在になっています。
しかし、スペイン「ラマンッチャ地区」は、テーブルワインの主要産地で安くておいしいワインの宝庫です。まだまだ日本未入荷のワインが多くこれから開拓されていくことと思います。

スペインワインは、今後チャレンジすべきアイテムです。

シニアソムリエ 神谷 豊明

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