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神谷豊明のワインコラム

第24回 産地・葡萄品種の特長を学ぶ理由

2007年度のコラムは、世界のワイン産地の特長をご紹介してきました。 ワインの原点は、原料となる葡萄の味です。マスカットと巨峰の味が違うように、異なった葡萄で出来たワインも違ってきます。また葡萄の生育した産地の気候よって、同じ葡萄品種でもその味わいは異なり、細かく言えば「村の特長」「畑の特長」「生産者の特長」とミクロに味わいに変化をもたらしていきます。 ワイン用の葡萄栽培は、各国のワイン法によって、細かく決められています。たとえばフランス・ブルゴーニュ地区では、生産して良い白葡萄品種は「シャルドネ種」「アリゴテ種」のみです。生産者達は、ワイン法に定められた使用可能な葡萄品種や指定栽培方法に従いワイン造りを行なっており、その法律に従ってワイン造りをするため、地域の味の特長がはっきりと出るのです。私達ソムリエがボトルを開けなくても、そのワインの銘柄を見るだけで、味わいを予想することが出来るのは、このようなワイン法を熟知しているからなのです。

ソムリエがワイン銘柄を予想する時の頭の中を覗いてみましょう。

- 外観を見て把握する事 -
ワインの色の濃さを見て、葡萄品種の絞込みと生産地域の気候を予測します。
色が濃ければ味わいに厚みのある葡萄品種、色が薄ければ軽やかな味わいの葡萄品種と言った具合です。またエッジと呼ばれるグラスの側面のワインの色を見て、収穫年から何年経っているかを予想し生産年を推測します。
- 香りを嗅いで更に絞り込む -
香りには、ワインの現在の状態がわかる鍵がたくさんあります。 熟成状態・葡萄が育った環境の状態・葡萄品種等の情報です。外観を見るだけで「それが何か」が50%理解できます。更に香りの情報を取得した時点で、80%位まで予想は絞り込まれています。この時点で、このワインの銘柄が何かがわかります。
- 味わいで最終確認 -
味わいは、次の7項目で読み取っていきます。
アタック・酸味・甘味・苦味・渋味・果実味・余韻です。品種・産地の特長がそのバランスに複雑に絡み合い、7角形の形を創っていき、その形からソムリエは、各産地の形と照らし合わせ最終的な答えに辿り着けます。
この技術は、日本酒や焼酎・ビールなどの他の酒に対しても有効的です。

ソムリエの本当の仕事

ソムリエは、単なる官能調査員ではないと思います。その日の気分や感覚だけで仕事をしているのではなく、膨大なワイン産地の法律・各生産地域の情報・葡萄品種の特長を把握した上で、精密なコンピュータのように頭と舌で分析・解読し、目の前にあるワインの特長を最大限に生かしたサービスを考えています。

最近、色々な分野でソムリエという言葉が使われています。「何かを選ぶ為の案内人(プロフェッショナル)」としての意味が強いと思います。しかし、私の考えるソムリエは、「真実を見つめ、その真実を的確に伝えるメッセンジャー」としての役割が強く、常にお客様の横に立ち、的確にその情報を伝え、お客様の判断を仰ぐ伝道師的な要素が強いと感じています。

「お客様の横に立ち、お客様の目線で物を見て、お客様の目線で伝える。」

ソムリエはハードであって、お客様はそれぞれ違った目的でハード(ソムリエ)を使うことで、欲しい情報を読み取ることが出来るのです。

良いハードがあれば、お客様は“ワイン法”など知らなくても、
自分にあった商品を見つける事が出来ます」

シニアソムリエ 神谷 豊明

1年間ありがとうございました。ワインコラムはしばらく休載いたします。
近日中に、新たなテーマで再開する予定です。どうぞご期待ください。

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