飲酒による無軌道な運転から悲惨な事故が相次ぎ、罰則の見直しや各地で取り締まりが強化されています。ここに来て、食が主体の業態でさえ影響が出始めています。また、郊外・街なかに関らず酒類販売の比率の高い業態の不振店が続出しており、撤退物件などの情報も確実に増加しています。
そのような状況の中で和食関連の出前・仕出しの専門業態が好調です。飲酒運転に関する社会的なモラル面の影響もあり、さらに上向く可能性があります。出前・仕出しならお盆や正月、ゴールデンウイークなど、外食のピーク日に入り口で待たされることもありません。また身内に足腰の弱った高齢者がいても、誰かが留守番をしたり、事故を気にする必要も少なくなります。
その背景にあるのが核家族化の裏に隠れたパラサイト現象の実態です。25歳から35歳の既婚女性の60%以上は、どちらかの両親の家から30分以内の距離に住んでいます。また、30歳を過ぎた未婚女性が両親と同居する「パラサイト・シングル」の比率が高まっています。
核家族に見える世帯が、少子高齢化の中で、孫や祖父母の誕生日など「ハレの日」を主体に、機会ある毎に実家に集まり、中・大家族となって新たな外食ニーズや関連消費を生み出しているのです。
核家族で別世帯であっても、その実態は大半がどちらかの親元30分以内に居住するパラサイト的大所帯なのです。その結果、オーバーストアの水面下で外食ニーズが変化し、出前・仕出し専門業態の利用を促進しているのです。同様にお持ち帰りによる寿司やオードブルなどの可能性も、今後ますます高くなることが予想されます。
フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均