チェーン化とKISS
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清水均のフードビジネス短信(2007年度)
第4回

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  • チェーン化とKISS


  米国では、チェーン化する際に、KISSが重要なポイントであるといわれる。KISSとは、「Keep it simple stupid」の頭文字の略である。Stupidとは、《人や動物及びその行為が》馬鹿な、愚かな、馬鹿げた、《本・話しなどが》面白くない、退屈なといった意味がある。KISSを要約すれば、「馬鹿げた位、単純に(様々なシステムを)維持せよ」それがチェーン化成功の鍵だ!となる。これは正に事実であり、急速な拡大を目指すには核心を突いた言葉である。

  実際、米国のみならず、日本のファストフード系の業態開発を見ても、急拡大を果たし、成功したチェーンの多くは、正にオペレーションの仕組みがKISSである。しかし、オペレーションの仕組みはKISSでよいが、人材採用や育成、フランチャイズ・システムとしてのフランチャイザーの選別に関してもKISSになってしまったのでは問題である。

  米国では、外食産業をヒューマンインダストリー(人間の産業)と呼ぶ。「人」あっての産業なのだ。その「人」の適性や人格を選別する仕組みの無いシステムは、結果的に破綻を来す。1970年代に日本の外食市場を牽引し、外食産業として上場を果たした企業の経営者を外食トップ第1世代とすれば、ここ5年以内に急拡大を行っている経営者は第4、第3世代に当る。これらの企業の多くは、株式市場への上場が主目的となり、店数と売上高にとらわれ過ぎていないだろうか。その結果、人材の採用育成までが促成栽培になっているように感じることがある。単純でStupidなのは、オペレーションシステムだけにしてもらいたい。

  上場はあくまでも企業として発展の節目として位置づけ、その後の成長を目指す必要がある。一番大切なのは、「お客様」である利用者だ。しかし、ともすると利用者ではなく、株主に顔を向けるStupidな外食企業が多いことも事実である。本当に上場することがいいのか、年商40億円を超えた伸び盛りの外食企業の経営者は、安易なM&Aも含め、再考する時期にあると言える。

フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均

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