ABC分析はメニュー分析に活用されますが、その重点管理の手法を応用すれば、実践的な原価管理にも役立てることができます。
準備する必要があるのは3ヵ月〜6ヵ月の食材別支払額一覧表です。生鮮食品は時期により価格変動が大きいので、対象から外します。支払いの関係もあり、業者別に分類はなされていても、各食材別に支払額をまとめている企業は少ないものです。しかし、売上規模が年商で3億円を超える企業規模から食材別に支払額を集計することをお奨めします。業種・業態にもよりますが、標準原価率が33%としても年間で支払額は約1億円となるからです。商売の原則「利は元にあり」です。
食材別の支払額によりABC分析を行うと分かりますが、正しく上位何品目かの食材群で支払額全体の大半を占めていることが分かります。通常、ABC分析のAグループの食材群は全体の食材数から見れば20〜30%の構成比となります。しかし、全体の支払額で見ると70〜75%以上の構成比となっているのです。これが、ABC分析の原理です。
Aグループの上位に入る食材は、『仕入れ単価が高く、しかも大量に使用する食材』です。具体的には寿司店の場合であればマグロ、しゃり(米)、エビ、ウニ、イクラといった食材になります。従って、業者と価格交渉をする際にこれらの食材の3ヵ月〜6ヵ月の使用量を示しながら、単価交渉をすればBやCグループの食材の単価を大幅に下げてもらうよりコストダウンの効果は大きくなります。
また、食材の単品管理にも有効です。個別メニューのレジ販売数にメニュー基準表の使用量を掛けて算出した食材別「あるべき使用量(標準原価)」に対し、棚卸しと仕入れから算出した食材別「実際の使用量(実際原価)」を比較対比して食材の単品管理を行います。ここでもAグループの食材群を徹底管理した方が効率よく、効果も大きいのです。食材の原価管理の実践的な手法として、これらの考え方をベースに自社における仕組み作りに取り組まれることをお奨めします。
フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
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