迷えるナショナルチェーン(シリーズ1):原点回帰
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清水均のフードビジネス短信(2007年度)
第7回

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  • 迷えるナショナルチェーン  −1− (3回連載)

 
  • 原点回帰

 
  6月末に、建て直し中の大手ナショナルチェーンの関連グループで頑張っているファミリーレストランに行って来ました。これから七夕を迎えるにあたり、入り口を入ると、短冊を添えた笹の飾り付け。主要動線のパーティションには、どの席に座っても見えるように小さな笹の飾り。そしてアイドルタイムの各テーブルには、明らかにアルバイトの女性が手描きした透明ファイルに入った手作りメニュー。お奨めデザートのイラスト数点に可愛い女の子の姿とコピーを添えてあります。ほのぼのとした温かみを感じ、ついオーダーしてしまいました。

  会社方針による店長への委任度の高さか、パート・アルバイトを巻き込んでの販促キャンペーンかは聞きそびれましたが、よい意味で驚きました。

  こんなことも数年前にありました。一世を風靡した中華居酒屋の東北地方のフランチャイジーが、不振にあえいでいました。加盟店のオーナーは、その原因の一つとして外壁の色がその業態らしくないと本部に訴えました。すると社長自らがその店を訪れ、ペンキを調達して塗り替え、お得意の食に関する漢文調の文字まで書き添えてくれたのです。そして「いやぁ、こんなことするのは久しぶりだな。昔はうちもよく売れたんだよ。ところがデザイナーが入って来てからメニュー(その表現)や店がつまらなくなってねぇ・・・」と漏らしたそうです。

  ナショナルチェーンのメニューやPOP、店内外を含めたビジュアル面は整然としています。そして、それは強さであり弱さでもあるのです。どこに行っても同じ店、同じメニュー、同じ味、同じ価格だからこそナショナルチェーンなのです。しかし、それらが消費者の支持を得られなくなってから久しいことも事実です。

  今求められているのは本当においしい商品、心温まる接客です。その接点であり、それらを表現する店やメニューづくりにトータルコーディネートは不可欠です。しかし、求められる商品やサービスをどう開発し、どう表現するかのヒントは月並みですが「原点回帰」にあるようです。


  (次回に続く)

フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均

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