フードビジネスと地域密着の必要性(シリーズ2):ビジネスの側面からの飲食業
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清水均のフードビジネス短信(2007年度)
第22回

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  • フードビジネスと地域密着の必要性  −2− (2回連載)

 
  • ビジネスの側面からの飲食業

 
 
  今度は飲食業をビジネスの側面から見てみると、立地産業であり、先行投資型という特性があります。その地に根付き、商圏内のお客様に繰り返し来店していただくことで、初期投資の減価償却を終えてから、利益が急速に拡大します。

  また、ナショナルチェーンであっても、商圏に住むお客様によって店それぞれに混雑する曜日や利用時間帯、年間を通して見た際には忙しい月とスロー(ひま)な月が明確に異なるのです。立地産業ですから、立地が決まっていればそこで成り立つ業態は制限されます。逆に業態が決まっていれば立地を選定する必要があるのです。

  ですから同じ業態でワンパターンに展開した場合、特にメニュー構成やその内容、価格帯などに関して無理が生じるのです。それは立地そのものから限定される商圏範囲だけでなく、地方の土地柄や各都道府県の所得格差を考えれば当然のことなのです。これらはナショナルチェーンが苦戦する大きな要因の一つになっています。また、競争の中でファミリーレストラン・チェーンや大衆居酒屋チェーンのように、どの業態も同質化(同じようなメニュー構成や価格帯、店作り)していってしまうのです。これも問題です。

  ナショナルチェーンの一部では地産地消への取り組みや地域別メニュー、同じメニューでも価格を変えるなど、地域化に対する取り組みも各種始まっています。しかし、巨人だけにメニューを頻繁に変えるといった小回りを利かせたり、素材に合わせて味付けや調理法を変えるといった小技を使ったりするのは苦手です。

  巨人のアキレス腱を突く地域化は、外食業界の中で圧倒的に多い中小飲食店やローカルチェーンにとっては、大きなチャンスでもあるのです。それは絶対量の少ない食材を地域の生産者と密着して優先的に確保したり、極端に言えばそれらの食材に合わせ毎日メニューを変えることもできるからです。

  今後は地域の生産者と協力して低農薬の米や野菜などを契約栽培して仕入れたり、地元の漁師と契約して獲ってきた魚を一艘買いしたりするなど、今までの『取り引き』ではない生産者や業者との『取り組み』が、地域活性化のためにも不可欠です。既に取り組んでいる大手や地域の優良店もあります。

  しかし、今後は規模の大小に関わらず地域密着をベースに、これらのことに真剣に取り組むことが生き残りの決め手となります。お客様の命を預かっていることを再確認し、正しく生きる商人として誇りを持ち『損得より先に善悪をかんがえる』(商業界:商売十訓より)ことこそ重要です。

※ 次回は3月10日に更新予定です。

フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師) 清水 均
 
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