今回は、働く男女を対象に「駅ナカ」での飲食についての調査を実施。
以下対象者310名 より有効回答を得ました。調査結果を、
フードビジネスコンサルタントの清水均氏によるコメントを交えてご紹介しています。
| (*注) |
「駅ナカ」とは、駅構内に展開する店舗のこと。書店・食料品店・飲食店・理髪店・ドラッグストアなどがあり、通勤・通学途中に立ち寄れる、早朝から深夜まで営業しているなど、利便性が高い。今回の調査に関しては、食事や飲食関係の買い物に限定しました。 |
| 「駅ナカ」(えきなか)に関する調査である。駅構内に展開する店鋪というくくりではあるが、構内でも改札を入った部分と改札を出た部分がある。JRではこれを「ラチ内」と「ラチ外」と呼び区別している。余談だが「ラチ」とは「埒」と書き『埒が開かない』や『不埒な奴』などと用いられる。本来は馬場の柵のことであり、物事の区切りも表す。調査対象者の大部分がイメージしているのは「ラチ内」にある食事や飲食関係の店鋪であることを前提として話しを進める。 |
| 調査結果を通しで大まかにまとめるとこうなる。「駅ナカ」を利用する(Q1)のは男性10%、女性5%は週に3〜4回以上、男女とも15%が週に1〜2回である。それら固定的な利用者は通勤に関連して朝(10時以前)と夜(19時以降)は習慣的にいくつかの決まった店を利用している。また、営業活動や打ち合わせなど多忙な仕事の関係で時間を有効活用するため、昼に利用することが多くなっていると思われる。それは時間が無いためでもあり、先方に行ったり待ち合わせたりするための時間調整のためでもある。 |
| 食事(Q4)は男性が立ち食いそば屋38%、ファーストフード25%、カフェ・ベーカリー24%に対し、女性はファーストフード25%、カフェ・ベーカリー44%となっている。注目すべきは女性の6%が立ち食いそば屋を利用していることである。また、11%が食事はしないと言い切っている点である。 |
| 滞在時間(Q5)は20分未満(男性77%、女性55%)と短時間。その内で10分未満(男性25%、女性10%)と超短時間で食事を終えているのだ。買い物も含めた利用額(Q7)は男性の7割、女性の6割弱が500円未満となっている。 |
これらから分析できるのは、「駅ナカ」のニーズの大半は場所と時間の便宜性、低価格である。そして現状で不満足なのは混んでいて落ち着かず、店や品数も不十分、品質と分量の割に価格が高く、サービスも不愉快なことである。特に分煙に対する要望は潜在的に高い。女性は並んでいても抜かされたり、食器類が不衛生で味気ないことも挙げている。 |
| 買い物面では食事関連を除くと手みやげとしての洋菓子店の利用、スーパーの活用が女性に顕著に見られることである。 |
| 一人十色といわれる使い分け時代を迎え、女性も立ち食いそば屋を6%が利用している。その背景には、居住性とサービス力を高めたファーストフード的な業態開発の可能性も出てくる。女性専用車両が好評なことを思えば、女性専用の健康・ヘルシー指向の立ち食いそばのコーナーを作り、イケ面の男性アルバイトで対応するといったことも考えられる。 |
| また、限られたスペースに多機能と飲食を組み合わせた複合業態も十分な開発余地がある。例えば、短時間マッサージとカフェ、フェイスなどのエステに特化した短時間美容とカフェ、託児所機能付きのカフェレストランなどが考えられる。Suica(スイカ)利用可能でポイントも貯まれば、固定客の習慣的な利用も期待できる。 |
| 「ラチ外」に1歩出れば駅ビルなども再開発されており、主要駅には複合商業施設も多いという特殊事情の中に「駅ナカ」はある。従って、便宜性とスピード、品質指向と適正価格、居住性とサービスにこだわればフードサービスの業態開発の可能性は大いにある。クイックカジュアル(ファストカジュアル)志向でテイクアウトコーナーを持った、女性をターゲットするベーカリーカフェなどの中型店は狙い目ではないだろうか。また、生の野菜やフルーツをカットしてサラダとして販売したり、それらを目の前でジュースとして加工する店なども面白い。ニューヨーク・マンハッタンの街角にはこれらの参考となるような店が着実に増えている。 |
フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師)清水 均
| 調査日 |
2005年11月25日(金)〜27日(日) |
| 対象者 |
性別:男性 155名、女性 155名
年齢:20〜49歳
職業:公務員、会社員、会社役員、自営業、パート・アルバイト
地域:東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県
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※ 次回は「米国・カナダ産牛肉」をテーマとして、1月下旬頃に更新予定です。