今回は、「ホテルのレストラン・バー」についての調査を実施。
以下対象者600名 より有効回答を得ました。
調査結果を、
フードビジネスコンサルタントの清水均氏によるコメントを交えてご紹介しています。
「ホテルのレストラン(ラウンジ・バー・カフェ&ベーカリーなどの飲食施設を含む)」といえば、サービス・雰囲気がよく、高級感があるイメージですが、カジュアル感覚で利用できるレストランもあります。また旅行や出張の際、ホテルのレストランを利用することは多いのではないでしょうか? 今回は「ホテルのレストラン・バー」について調査しました。 |
| 今回の調査について |
月に1回以上「ホテルのレストラン・バー」を利用している人が全体の35%を占めている。この調査に関する回答者の居住範囲が首都圏とはいえ、想像以上に利用している実態が分かる。また、男女とも今まで7回実施した調査の中で一番コメントの書き込み数が多い調査結果となっていることは興味深い。それだけ関心が高いことを示している。 |
| 調査結果の分析 |
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| 男性は40才台、女性は30才台からの利用が多いが、特に女性50才台が顕著である。4割が月に2〜3回となっているのは予想以上である(Q1)。その理由は1/3を占めるツアー旅行やレディースプランといった宿泊とのセットにある(Q3)。 |
ホテルにおける食事利用は4割(※1)、洋食6対和食4(※2)の比率である。 業態別では洋食レストランと並びラウンジの利用が多く、次いでバー、カフェ・ベーカリー、和食の順となっている(Q4)。客数(Q6)、費用(Q7)、利用時間(Q8)は想像通りである。 |
| 具体的なコメントからさまざまな利用実態や思いが分かる。食事の目的は「(Q3)誕生日、結婚記念日、雰囲気重視のデート」といったプライベートでの「ハレの日」の利用が多い。これはホテルの特性として当然であり、高級感だけでなく高層階からの展望やピアノの生演奏(Q10)などの商品価値もラウンジやバーを含め無視できない。面白いのは「(Q3)お食事をした後、1〜2杯軽く飲むためにホテルのバーを利用、落ち着いて飲みなおすときに利用、宴会後の二次会として」である。男性40才台の利用が多いことからも企業の幹部層が立地的な利便性とステータスから利用していることが表れている。「(Q2)バーや寿司屋に限っていうと若年層がいないので落ち着ける」 |
| また、「(Q3)たくさんケーキを食べたいとき」「(Q4)ブッフェ式のレストラン・食べ放題」など女性をターゲットとするホテルの営業政策が功を奏していることがよく分かる。 |
| ホテルならではの空間や客層に結びついた利用動機として無視できないのが「リフレッシュ・安らぎ・癒し的なニーズ」である。男性30〜50才台とも約1割、女性では30才台の4%が1人客ある(Q6)。男性の利用は主としてラウンジやバーと考えられるが、隠れ家的な存在と考えられる。女性は「(Q2)雰囲気、静かで安心できる客層であること」「(Q3)ケーキ・パンなどの購入や気分転換に一人でカフェに行く」と行ったコメントからも分かる。最近、都内には大型の喫茶店が減少しカフェが増えているが、このようなニーズの受け皿として高級喫茶店の可能性は郊外を含め大いにあると考えられる。 |
| 利用客の圧倒的に多いホテルに対する不満は「(Q2)サービスを売りにするわりにサービスを感じない」や「(Q9)親切で物腰は低いですが、サービス料を取っている割には気が利かないただのマニュアルサービスが多い、ドリンクメニューの価格が割高、サービスチャージをとられる」といったコメントに代表される、サービス料を含め価格の高さに対する接客サービスのレベルの低さである。顧客はホテルのレストランやラウンジなどの価格が高いことは承知で利用している。しかし、もっとサービスを良くしなければ、その価格に対する価値がないため不満となっているのだ。 |
| 売上高の減少から人件費削減を余儀なくされ、パート・アルバイト(P/A)比率は高まるばかりである。しかし、大多数のホテルがそのブランドに甘え「従業員の無関心な態度やおざなりなサービス」に対する問題意識が低い。この大きな原因はマネージャークラスの勉強不足とホテルの社員及びP/Aに対する教育研修及びトレーニングシステムの不備である。オリエンテーションすらろくに行わず、P/Aを多用したり配膳会(※3)などにアウトソーシングしているホテルも多い。 |
| 改善のポイントは(Q10)のコメントにしっかりと現れている。さすがにホテルらしい、品位ある高品質のサービスをするホテルもあるのだ。ホテルによるサービスの質のバラツキ、また同じホテルでも施設や時間帯によるサービスの質のバラツキは問題である。ホテル関係者は一般の外食ビジネスを「街場」と言って区別することが多い。サービスの質は最終的には人の質のバラツキである。これを直さないと勉強し努力して進化・深化している街場のレストランに今後も負けることになる。問題のあるホテルに対しては、この調査を機に大いに警鐘を鳴らし改善の努力を期待したい。 |
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(※1) |
「ホテルにおける食事利用は5割」は、(Q3)の結果より、
食事で利用(ホテルには宿泊しない):28.5%+宿泊したホテルで食事も利用:19.9%→ホテルにおける食事利用:48.4%となる。
なお、「宿泊したホテルで食事も利用」には、「宿泊したホテルに食事がセットされていたので利用(ツアー旅行、レディースプランなど)」が含まれると解釈し、「宿泊したホテルで食事も利用:19.9%」としている。
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(※2) |
「洋食6対和食4」は、(Q4)の結果より、
洋食レストラン:24.5%+和食:10.3%+鉄板焼き:4%+寿司:1.1%+天ぷら:0.6%→合計:40.5%となり、
洋食レストラン:24.5%÷合計:40.5%→洋食:60.5%となるため、それ以外を和食とすれば「洋食6対和食4」となる。
なお、ラウンジ、バー、カフェ・ベーカリーは食事利用以外とし、中華・アジアン系レストランは洋食、和食以外のため合計に含めない。
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(※3) |
「配膳会」とは、ホテルや旅館、レストランなどの宴集会を中心に、調理、サービス・スタッフを派遣する会社の略称のこと。
配膳会が派遣するスタッフとしては、調理スタッフ、バンケット・ホステス(コンパニオン)、ウェイター、ウェイトレスなどがいる。
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フードビジネスコンサルタント(亜細亜大学講師)清水 均
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2006年3月6日(月) |
| 対象者 |
性別:男女計600名(男性:332名、女性:268名) 年齢:20-59歳 職業:会社員、会社役員、公務員、自営業、自由業、パート・アルバイト 地域:東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県 年に数回以上、「ホテルのレストラン・バー」を利用している人
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※ 次回は「フードコート」をテーマとして、4月上旬頃に更新予定です。