「安くて美味しいワインを教えて!」
最近、お客様やレストラン経営者の方からよく問われる質問です。
たくさん有りすぎて困る質問ですが、安くて美味しいワインが出来る法則があるので今回はこの法則を説明いたします。
【安くて美味しいワインが出来る法則】
■ 醸造家が優れていること
■ 栽培地域の気候が素晴らしいこと
■ 資本力のある経営者であること
■ 広い土地があり、価格が安いこと
■ 安い労働力があること
この条件が整ったワイナリーならば「安くて美味しいワイン」を作ることが可能です。
近年、ワイン生産国として南半球の地域が注目されています。数年前、チリワインが美味しいと話題になりました。では、なぜチリワインが美味しく、しかも安いのかを解説いたします。
チリワインの生産は、1818年チリがスペインから独立したころから本格的に行われるようになりました。1851年にフランスから高級ぶどう品種を導入し、同時に優れたフランスの醸造家を招いて作り始めたことが、チリワインの品質向上のきっかけになりました。
現在ではフランス1級シャトー醸造家達が、北半球(自国)のぶどうを収穫し・醸造した後、すぐに季節が逆の南半球へ飛び、収穫・醸造をします。このように常に最新の技術と知識が効率よく使われているため、南半球のワインの生産は急速に発展しました。
また南半球の生産地はぶどう造りにとても適した雨の少ない気候で、そして豊かな土地と労働力もあります。こうして安くて美味しいワインを作る環境が整った訳です。
ひとつポイントがあります。
安くておいしいワインは、早めに消費するのが良いでしょう。
ワインは気候が暖か過ぎると、ぶどう自体の酸味が少なくなりそれで作られるワインの酸味も少なくなります。酸味の少ないワインは、酸化によって熟成の進むワインにとっては寿命が短くなるという特徴があります(このあたりのメカニズムは後のコラムで説明する予定です)。
一般に南半球は気候が温暖なため、これらの地域の低価格ワインは酸味が少なく、あまり長持ちしないものが多くなっています。したがって、高級ワインのように熟成させ飲み頃を迎えるものと違い、早飲み用と考えれば良いと思います。
また酸味が少ないと抜栓後の酸化が早く、グラスワインとして扱うには2,3日ぐらいで消費するのがベストでしょう(酸味のあるワインは1週間程度、美味しく飲めます)。
参考に、オーストラリア・ニュージーランドは南半球としては特異な生産地域で、ここの白ワインは酸味がしっかりしている物も多く、抜詮後に日持ちするため一杯ごとにサービスするグラスワイン向きです。一方、アルゼンチン・チリは重めの赤ワインが、コストパフォーマンスもよくボトル売りに最適でしょう。また南アフリカの樽で熟成した白ワインやピノタージュ種で作った赤ワインは世界でも評価されています。
安くて美味しいワインのキーワード
ヨーロッパ(特にフランス)の技術の入った、南半球のワイナリーで生産されたワイン
お試し下さい。
-次号へ続く-