歴史
オーストラリアの葡萄栽培の歴史は1788年に、イギリス人アーサー・フィリップ船長が率いる11隻の商船がシドニー港に入り、港のそばに葡萄のさし木をしたのが、そのはじまりだといわれています。
この葡萄は、リオデジャネイロと喜望峰から持ってきたもので、葡萄の栽培はその後、シドニー北西のハンターヴァレーに広がり、更に西部や南部へも拡張されて南オーストラリアまで伸びていきました。
約200年の歴史があるオーストラリアワインは、年間約70万キロリットルのワインを産出し、国際的にも高い評価を得ています。
主な葡萄の栽培地域は西オーストラリア州、ヴィクトリア州、ニュー・サウス・ウェールズ州などの5つの州です。天候や自然条件に恵まれているため、赤の品種はシラーズ、カベルネソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、メルロー、グルナッシュ、白はセミヨン、リースリング、シャルドネと毎年、安定した良質の葡萄が収穫されます。太陽と大地に育まれ、手頃なテーブルワインだけでなく、今では、ヨーロッパの高級品と肩を並べるワインも造られています。
特徴
ワインを選ぶ時、多くのワイン愛好家にとって最も重要な判断基準は、ワインに使用される葡萄品種です。オーストラリアワインの場合、使用される品種やワインの味わいがラベルに記載されているため、非常に分かりやすく、その分かりやすさ故にオーストラリアワインの人気がここまで高まったとも言えるでしょう。またどのようなお料理に合うかなどの情報を記したラベルも多く見られます。
葡萄品種の個性や味わいは様々なので、お気に入りを見つけるのは楽しい作業です。また1度それぞれの葡萄品種の味わいを覚えてしまえば、ワイン選びは非常に簡単になります。
まずは、葡萄品種を知ることから始めれば、ワインが簡単に分かるようになります。但し、オーストラリアワインの中には、複数の品種が使用されているものも
多いことを忘れてはなりません。例えばシラーズ種とカベルネ・ソーヴィニヨン種をブレンドした「シラーズ・カベルネ」のように、複数の品種を使用すると、互いを補うことで、相乗効果が生まれるのです。
土壌と気候に馴染んだ葡萄品種「シラーズ」
シラーズは、オーストラリアで最も重要な葡萄品種で、広い地域で栽培されています。
深紅の色合いの、熟したプラムや胡椒などの香りが感じられる、ミディアムからフルボディのワインを生み出します。多くのシラーズのワインは樽熟成され、長い期間熟成されるものもあります。バロッサ・バレーとハンター・バレーがオーストラリアのシラーズのふるさとです。オーストラリア以外の国では「シラー(Syrah)」と呼ばれることもあります。
生産地域の特性
ワインラベルに「オーストラリア南東部」と記載されている場合、西オーストラリアを除いた、オーストラリアの主要な栽培地域のほとんどの葡萄を使用することが出来ることを意味しています。オーストラリアの葡萄畑の98%が、オーストラリア南東部に位置しているのです。オーストラリア南東部の葡萄を使用した、ジェイコブス・クリークに代表されるワインは、この15年間、オーストラリアワインの輸出高を大きく伸ばしてきました。
オーストラリアのワインメーカーは、「マルチリージョナルブレンディング」と「リージョナルブレンディング」という手法を用います。「マルチリージョナルブレンディング」とは、複数の地域の葡萄から造られたワインをブレンドすることで、「リージョナルブレンディング」とは、1地域の中の複数の畑の葡萄から造られたワインをブレンドすることです。
オーストラリアの6つの州の主な生産地域は以下の通りです。
■南オーストラリア州
オーストラリアで最も有名で歴史的な産地。特にバロッサ・バレーは、1842年、英国やドイツ、ポーランドからの移民によって開拓されました。黒葡萄品種としては、シラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨン、グルナッシュが、そして白葡萄品種としては、主にリースリング、セミヨン、シャルドネが栽培されています。
バロッサ・バレーはシラーズの名産地として有名ですが、リースリングも古くから栽培されています。バロッサ・バレーのリースリングは典型的なオーストラリアスタイルで、ヨーロッパのリースリングとはスタイルが異なります。またバロッサ・バレーでは、上質のグルナッシュや、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネも収穫されます。
■ニュー・サウス・ウェールズ州
オーストラリアワイン発祥の地「ハンターバレー」は、現存する最も古いワイナリーで、ウィンダム・エステートが1828年に創業した地でもあります。シドニーから車で北へ2時間、ブロークンバック山脈のふもとに広がるこの地域は、栽培期間を通じて雨が多く、蒸し暑いのですが、海風が吹いたり、午後にはよく雲が出て谷を覆うため、適度に涼しくなります。
この地域は熟成されたセミヨンとシラーズで知られ、オーストラリアの他の生産地域のものや、海外の生産地のものと比べても、そのワインスタイルは独特です。また上質なシャルドネのお手本のようなワインも造られます。
■ヴィクトリア州
ヴィクトリア州のワインの歴史は1838年に始まり、フィロキセラの害が広がるまでは、オーストラリア最大のワイン生産地域でした。その後人々の嗜好やニーズが変化し、南オーストラリア州のワイン取引高が急成長したため、ヴィクトリア州の成長は妨げられてしまいましたが、1970年代に入り、メルボルン周辺のワイン産業は再び急成長を遂げました。
■西オーストラリア州
オーストラリア最大の州、西オーストラリア州の南西の端に、オーストラリアで最も地理的に孤立したワイン生産地があります。1970年以降、この地域には新しい栽培地域が次々と出来、様々な変化を遂げてきました。
■タスマニア州
タスマニア州は、オーストラリア大陸南東の端の沖に位置する、雄大な景色が見事な小さな島です。気候は冷涼で、シャルドネとピノ・ノワールを使用した、しっかりした構成の高品質なスパークリングワインや、リースリング、ゲヴェルツトラミネール、シャルドネ、ピノ・ノワールなどを使用した、切れがよく酸のバランスが取れた、繊細な芳香が楽しめるスティルワイン造りに適しています。
■クイーンズランド州
温暖で湿度の高いクイーンズランド州では、他の州と比べ少量のワインしか生産されません。しかし他の州同様、葡萄畑の数は着実に増えています。クイーンズランド州の葡萄畑は「最も赤道に近い」ため、暑さを避けるために、標高の高い所につくられています。
まだまだ日本に紹介されていない生産者多いオーストラリアワイン
質の高さから今後、シンデレラ的なワインの登場が期待できます